河竹由利のブログ

短歌と独り言

令和6年11月

*泣けば済むこともきつとある阿部詩よ泣けるあなたはまことヒロイン

 

*虚を突くといふボールありバレーコートにほかり須臾のま虚のあらはれて

真夏日のわが町ふかく頭痛せり花らそよがず自転車うごかず

 

*われを生くることはむつかしわれとふはマイナカードの病後の顔で

 

 



*鬼の名を負ひたる百合が蕊を吐くいぢわるいけず通せんぼ道

 

*

*独り逝く父の部屋には木彫りなる鳥らが翅を広げそのまま

 

*検死医の言ひたる父の古傷は結核手術痕 線路みたいな

 



*クリームを浮かべしソーダのみどり色身めぐりに無き色こそ青春